スクーリングを受けて

8月3、4日は、「精神障碍者と福祉実践Ⅱ」のスクーリングがあった。

前回の「精神障碍者と福祉実践Ⅰ」の振り返りをした後、様々な精神障碍者の現状と、それに対する社会福祉実践の実際を学習し、生活支援とは何か、そして自分の活かし方について考えることが授業のねらいだった。

初日は4人の発達障害の子供を持つ堀内祐子さんと、うつ病当事者の黒川常冶さんの「私らしく生きる」をテーマにミニシンポジウム、そして2日目は「ソーシャルワーカーとしての私の歩み」と題して診療所理事長で精神保健福祉士の長嶋美奈さんがゲスト講師としてお話された。

先生のシンポジウムのまとめを借りると
一つ目は、「障碍者である前に人間だ」という主張のピープルファースト
二つ目は、主体性を認め、その人を尊重するし、信頼関係を築く、
三つ目は、人は成長する、
四つ目は、素敵な言葉に出会うために生きている、だった。

ストレングス視点というものを、応用的に捉えれば、「違いよりも共通点に」、
「出来ないことよりも出来ていることに」、「失ったことよりも得られたことに」
出会うことができる。

「精神障碍者の生活支援において、障害年金に着眼する理由」の授業では、
東京都の精神障碍者529名の平成19年中の収入額(生活保護費を除く)は、
「100万円未満」は64.3%、うち「50万円以上から100万円未満」は29.5%であると
いうこと。

生活保護障害年金との違いは、生活保護には、「補足性の原理」ある。また、
生活保護が「世帯単位」で受給する制度であることに対して、障害年金
「個人単位」でできる制度である。

精神障碍者障害年金受給の実態は、2008年時点において、精神障碍者
約323万名いる。そのうち、障害年金を受給している者は推定52万名である。


小遣いと障害年金との違いは、小遣いは心苦しさを感じたり、精神的支配が感じられるが、障害年金は、家族から受ける小遣いとは異なり、自分の金銭として認識しやすい。

生活支援は、自分のことを認める人と、自由になる金銭が不可欠、定期的な収入があることによって、人は気持ちの余裕につながる、精神障碍者は、気兼ねなく使える金銭が無いと、生活の快適さが得られないのであり、経済的な不安は、精神的な不安につながりやすい。

たくさんのことを学んだ二日間であった。

まだまだわからないことばかりであるが、少しずつでも学び続けたいと思う。